CW パルス 違いとは — 方式の選び方を用途で解説
レーザークリーナーの方式は、CW(連続発振)とパルスの2つ。速度と除去力のCW、精度と仕上がりのパルス、という性格の違いです。何を・どの品質で処理したいかが決まれば、用途に合う方式はおのずと絞れます。
CWとパルスは何が違うのか
CWとパルスの違いは、レーザー光の当て方にあります。CW(連続発振)は光を途切れなく当て続けて広い面を一気に削り、パルスは光を短く刻んで当てるため母材に熱をためずに表面の汚れだけを飛ばせます。速度と除去力のCW、精度と仕上がりのパルス、という性格の違いです。
CW(連続発振)
レーザー光を途切れなく当て続ける方式です。一定時間に削れる量が多いので、広い面の錆・黒皮・塗膜を一気に処理できます。難点は、当て続けるぶん熱が入りやすいこと。薄い母材やデリケートな仕上げには気をつけて使う必要があります。
パルス
レーザー光を短く刻んで当てる方式です。母材に熱をためずに、表面の汚れだけを飛ばせます。焼け取りや酸化膜除去、精密部品の洗浄に向きます。仕上げを残したまま処理したい用途で力を発揮します。
性格の違いを表で見ると
CWとパルスの違いを、現場で効いてくる観点で並べます。どちらが優れているという話ではなく、向く仕事が違う、と捉えるのが正解です。方式に加えて出力や形態まで含めた出力・形態を含めた選び方も用意しています。
| 観点 | CW(連続発振) | パルス |
|---|---|---|
| 当て方 | 光を途切れなく当て続ける | 光を短く刻んで当てる |
| 得意なこと | 速さと除去力 | 精度と仕上がり |
| 処理速度 | 速い | 対象に合わせて調整 |
| 母材への熱影響 | 入りやすい | 抑えやすい |
| 向く面積 | 広い面・大面積 | 局所・精密 |
| 代表的な用途 | 錆・黒皮・塗膜の高速除去 | 焼け取り・酸化膜・精密処理 |
CW方式はどんな仕事に向くのか
CW方式の武器は、速さと除去力。建設現場の錆取り、造船所の黒皮除去、橋梁の塗膜除去——とにかく広い面を短時間でこなす仕事で本領を発揮します。

CW方式による黒皮除去

厚い黒皮も高速で除去
CW方式が向く用途
- 鋼材の錆取り・黒皮除去(建設・造船・製缶)
- 塗膜除去(橋梁・プラント・車両)
- 溶射の下地処理(表面の粗化)
- 大面積の酸化スケール除去
パルス方式はどんな仕事に向くのか
パルス方式の強みは、精度と仕上がり。母材を傷めず、デリケートな表面仕上げを残したまま処理できます。焼け色だけを選んで落とす、といった細かい仕事が得意です。

パルス方式による2B材の焼け取り

ヘアライン仕上げの方向を残して焼け取り
パルス方式が向く用途
- ステンレスの溶接焼け取り(2B・HL・No.1)
- 食品機械・医薬品設備の表面処理
- 金型クリーニング
- 精密部品の酸化膜除去
- 溶接前処理(薄板の酸化膜除去)
用途別にはどう選べばよいか
「何を」「どの品質で」処理したいか。ここが方式選びの基準です。代表的な用途で整理します。なお同じ方式・同じ出力でも仕上がりには差が出ます。その理由は出力が同じでも差が出る理由で解説しています。
建設現場の錆取り・黒皮除去
速度重視。広い面積を短時間で処理。
橋梁・プラントの塗膜除去
厚い塗膜の高速除去に向く。
ステンレスの溶接焼け取り
母材を傷めず、2B・HL仕上げを残す。
食品機械・医薬品設備
仕上がり品質を最優先する用途に。
現場での配管焼け取り
AC100V・約10kg。持ち運んで現場対応。
溶射の下地・表面粗化
粗面化の条件で下地をつくれる。
同じ方式・同じ出力でも、仕上がりは光源の質と条件の合わせ方で変わります。STNは多数のレーザー光源を研究し、用途ごとに最適な機種・条件を選定しています。最終的な方式と機種は、お客様の実物に対するテスト加工で確認してから確定するのが確実です。
よくある質問
CWとパルスの違いは何ですか?
レーザー光の当て方が違います。CW(連続発振)は光を途切れなく当て続ける方式で、一定時間に削れる量が多く、広い面の錆・黒皮・塗膜を一気に処理するのが得意です。パルス方式は光を短く刻んで当てるため、母材に熱をためずに表面の汚れだけを飛ばせます。ざっくり言えば、速度と除去力のCW、精度と仕上がりのパルス、という性格の違いです。
錆取りや黒皮除去にはどちらが向きますか?
広い面の錆取りや黒皮(ミルスケール)除去、塗膜の高速除去など、面積が大きく速さを求める作業はCW方式が向きます。建設現場の鋼材の錆取り、橋梁やプラントの塗膜除去、大面積の酸化スケール除去などが代表例です。一方、薄板や局所のスポット的な錆取りなら、母材を傷めにくいパルス方式が適します。
ステンレスの焼け取りにはどちらが向きますか?
ステンレスの溶接焼け取りや酸化膜除去、精密部品の処理は、パルス方式が向きます。母材に熱をためにくいため、表面の仕上げ(2B・ヘアラインなど)を残したまま焼け色だけを落としやすいのが理由です。食品機械や医薬品設備のように仕上がり品質を最優先したい用途でも、パルス方式が選ばれます。
1台でCWとパルスの両方の用途に対応できますか?
CWとパルスは得意分野が分かれるため、用途が広い場合は2台体制が確実なこともあれば、パルス機1台でカバーできる範囲を見極めるほうが現実的なこともあります。どこまでを1台でこなせるかは、対象物・面積・求める仕上がりによって変わります。実際のサンプルでテスト加工をして、必要な台数と方式を判断するのが確実です。
方式が同じなら仕上がりも同じですか?
同じ方式・同じ出力でも、仕上がりには差が出ます。レーザー光の質や、用途ごとの条件の合わせ方で結果が変わるためです。STNは多数のレーザー光源を研究したうえで、用途ごとに最適な機種と条件を選定しています。その差は加工結果でご確認いただけます。詳しくは品質差の記事もあわせてご覧ください。
まとめ
- CW方式 → 速度と除去力。錆・黒皮・塗膜の高速処理に向く
- パルス方式 → 精度と仕上がり。焼け取り・精密処理に向く
- 「何を」「どの品質で」処理するかが方式選定の基準
- 用途が広いときは2台体制か、1台でカバーできる範囲を見極める
- 同方式・同出力でも仕上がりは変わる。最終確認はテスト加工で
CWとパルス、どちらが合うか迷われる場合は、サンプルでのデモ加工で実際の仕上がりをご確認いただけます。お気軽にご相談ください。
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