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2026年6月現場実績

橋梁のレーザークリーニングとNETIS — 塗膜除去・素地調整・摩擦面処理

橋梁の塗装更新は、旧塗膜の除去と素地調整がカギを握ります。レーザークリーニングは養生不要・粉塵低減・低騒音という特長で、橋梁・鉄道・プラントの保全現場を変えつつあります。NETIS登録工法(KK-250004-A)として公共工事での活用も進んでおり、加点の対象になる場面があります。

橋梁・インフラ保全の課題とは

橋梁・インフラ保全の課題は、交通規制下の高所・狭所・夜間という現場制約、鉛含有塗料の飛散防止などの環境規制、規格に沿った素地調整やすべり係数の品質要求、そして養生費・廃棄物処理費というコスト圧力が同時にのしかかる点にあります。一般の工場とは前提が違います。

日本の社会インフラは高齢化が進んでいます。橋梁の多くが建設後50年を超え、鉄道施設やプラント設備も定期的な保全が欠かせません。そして橋梁の保全現場には、一般の工場とは違う特有の難しさがあります。

  • 現場の制約 — 交通規制下、高所、狭所、夜間限定の作業時間
  • 環境規制 — 住宅地に近接、河川上、鉛含有塗料の飛散防止
  • 品質要求 — 規格に沿った素地調整、摩擦面のすべり係数の確保
  • コスト圧力 — 養生費・廃棄物処理費が工事費の大きな割合を占める
  • 人手不足 — 熟練工の減少、作業者の安全確保

これらの課題に対し、レーザークリーニングは「養生の簡素化」「粉塵の大幅削減」「低騒音での夜間対応」で応えます。

橋梁の鋼部材をレーザーで塗膜除去・素地調整している施工例
橋梁でのレーザー施工 — 旧塗膜の除去と素地調整

NETISとは — 公共工事でどう効くのか

NETIS(新技術情報提供システム)は、国土交通省が運用する新技術の登録・共有のしくみです。現場で役立つ新技術を登録し、発注者・施工者が活用できるようにするもので、公共工事で登録技術を使うと工事成績評定での加点対象になることがあります。

レーザークリーニングには、NETISに登録された工法(登録番号 KK-250004-A)があります。橋梁をはじめとする公共インフラの保全で、品質と環境配慮を両立しながら、加点の機会につながる点が評価されています。加点のしくみと活用実績の積み上がり方はNETIS登録の公共工事メリットで詳しく整理しています。

NETIS登録番号 KK-250004-A の工法は、関係各社の共同開発として登録されています。公共工事での具体的な加点条件は発注者・工事内容によって異なるため、適用にあたっては個別にご相談ください。

橋梁の塗装更新・素地調整はどう変わるか

橋梁の塗装更新は、旧塗膜の除去 → 素地調整 → 新塗装の流れで進みます。レーザークリーニングは、このうち旧塗膜の除去と素地調整を1工程でこなせます。

橋梁での適用範囲

  • 桁下面・ウェブ面の塗膜除去
  • 高力ボルト接合部の塗膜除去・素地調整
  • 溶接部の焼け取り・前処理
  • 鉛含有塗料の管理された除去(集塵併用)
  • 新塗膜前の素地調整(Sa2.5相当をねらう)
橋梁の高力ボルト接合部をレーザーで素地調整した施工例
ボルト接合部の素地調整 — 狭所も非接触で処理

素地調整のグレード(除錆度)の考え方はケレン・除錆度(Sa)ガイドで詳しく解説しています。

高力ボルトの摩擦面処理に使えるか

使えます。高力ボルト接合では接触面(摩擦面)に所定のすべり係数が求められますが、レーザークリーニングでも必要なすべり係数を確保できることが、施工条件に応じたテストで示されています。粉塵・養生が不要で天候に左右されにくく、従来のブラスト処理や発錆剤に代わる選択肢になります。

高力ボルト接合では、接触面(摩擦面)に所定のすべり係数が求められます。従来はブラスト処理や発錆剤が使われてきましたが、レーザークリーニングでも必要なすべり係数を確保できることが示されています。

摩擦面処理でのレーザーの強み

レーザー処理はブラストと同等水準のすべり係数をねらいつつ、粉塵・養生が不要です。発錆剤のように天候や養生時間に左右されにくく、安定した処理ができます。実際の確保すべり係数は、施工条件に応じたテストで確認します。

高力ボルト摩擦面をレーザーで処理したテストパッチ
摩擦面処理の加工結果 — 均一に整えた接触面

高力ボルト摩擦面のすべり係数確保や、黒皮剥離から発錆処理への繋ぎ込みは高力ボルト摩擦面の処理ガイドで詳しく解説しています。

鉄道・プラントの保全にも使えるか

橋梁以外のインフラ保全にも、同じ強みが効きます。とくに作業時間や環境の制約が厳しい現場でこそ、非接触・低騒音・粉塵低減という性質が活きます。

鉄道 — 限られた作業時間での清掃

鉄道の保全は、終電後から始発前の限られた時間帯(深夜3〜4時間)で行われます。レーザークリーニングは低騒音・無振動で、レール頭頂面の錆取り、枕木接合部の酸化膜除去、トンネル壁面や駅構造物の塗膜除去・素地調整に対応します。STNでは軌道専用の治具(軌道マウント・走行装置・遮光カバー)を用意しています。

プラント — 配管・タンクの保全

化学プラント・製油所・発電所では、配管・タンク・反応器の定期メンテナンスが安全運転の基盤です。配管外面の錆取り・塗膜除去、タンク内面の酸化スケール除去、フランジ面の清掃、溶接前後の処理などに活用されています。火花や研掃材を使わないため、現場のリスクを抑えられます(レーザー光自体の安全管理は必要です)。

従来工法と何が違うのか

インフラ保全で使われる代表的な工法と、レーザークリーニングを主要な観点で比べます。

比較項目レーザクリーニングサンドブラストウォータジェットケレン(手動)
粉塵極めて少ない大量なし(水飛散)中程度
養生簡易大規模中規模(水)簡易
騒音低い非常に高い高い高い
振動なしありありあり
鉛含有塗料集塵併用で管理しやすい飛散リスク大廃水管理が必要飛散リスク
狭所作業光が届けば可能困難困難可能
夜間作業低騒音で適する騒音制限を受けやすい制限あり可能
処理後の均一性条件管理で安定良好やや粗いムラが出やすい

インフラ現場でレーザーが選ばれる理由

最大の理由は「養生の簡素化」です。サンドブラストでは養生費が工事費の大きな割合を占めることがあります。レーザーはこの負担を大幅に減らせます。さらに騒音が低いため、夜間作業(鉄道)や住宅地近くの現場でも使いやすいのが強みです。

おすすめ機種・治具

橋梁・プラント・大型構造物 → ST-CW-2000-W/ST-CW-3000-W + 走行装置

STN開発の走行装置とCWシリーズ(2000W・3000W 水冷)を組み合わせれば、少人数で広範囲の塗膜除去・素地調整を高効率に進められます。集塵装置の併用で鉛含有塗料にも対応します。さらに大面積・高出力が必要な現場には ST-CW-6000-W も選べます。

鉄道 → ST-CW-2000-W/ST-CW-3000-W + 鉄道専用治具

軌道形状に合わせた専用マウント、走行装置、遮光カバーのセット。限られた作業時間内での効率的な処理を実現します。

現場調査・部分補修 → ST-P-100-AIR(100W パルス)

AC100V・約10kgのポータブル機。現場調査時の局所処理、ボルトの錆取り、小規模補修に。電源さえあればどこでも使えます。

よくある質問

橋梁の保全にレーザークリーニングは使えますか?

使えます。橋梁の塗装更新では、旧塗膜の除去と素地調整を非接触で行えます。研掃材を使わず母材を削らないため、桁下面・ウェブ面の塗膜除去、高力ボルト接合部の素地調整、溶接部の前処理などに対応します。粉塵が少なく養生も簡素にできるので、住宅地に近い現場や河川上の橋梁でも運用しやすいのが特長です。

NETISとは何ですか?

NETIS(新技術情報提供システム)は、国土交通省が運用する新技術の登録・共有のしくみです。公共工事で登録技術を活用すると、工事の成績評定で加点の対象になることがあります。レーザークリーニングはNETISに登録された工法(登録番号 KK-250004-A)があり、橋梁などの公共インフラ保全での採用を後押しします。

高力ボルトの摩擦面にレーザーは使えますか?

高力ボルト接合では接触面(摩擦面)に所定のすべり係数が求められます。従来はブラスト処理や発錆剤が使われてきましたが、レーザークリーニングでも必要なすべり係数を確保できることが示されています。粉塵・養生が不要で、天候に左右されにくいのが現場での利点です。実際の確保すべり係数は、施工条件に応じてテストで確認します。

鉛を含む旧塗料の除去にも対応できますか?

集塵装置を併用することで、鉛含有塗料の飛散を抑えながら管理された除去ができます。サンドブラストのように研掃材ごと飛散させないため、回収・管理がしやすくなります。鉛含有塗料の処理は法令に沿った管理が前提となるため、現場条件に合わせた集塵・回収体制とあわせてご相談ください。

夜間の鉄道保全など、作業時間が限られる現場でも使えますか?

向いています。レーザークリーニングは騒音が低く、振動もないため、終電後から始発前の限られた時間帯の鉄道保全に適します。STNでは軌道形状に合わせた専用マウント・走行装置・遮光カバーなどの治具を用意しており、限られた作業時間の中で安全かつ効率的に作業を進められます。

まとめ

  • 橋梁の塗装更新は、旧塗膜除去と素地調整を1工程でこなせる
  • NETIS登録工法(KK-250004-A)として公共工事で加点の機会につながる
  • 養生不要・粉塵低減で、住宅地近接・河川上の現場でも運用しやすい
  • 高力ボルト摩擦面は、粉塵なしで必要なすべり係数をねらえる
  • 低騒音・無振動で、鉄道の深夜保全など作業時間が限られる現場に適する
  • 走行装置・鉄道専用治具など、現場から生まれた治具で品質と安全を確保

インフラ保全の現場見学・デモ加工のご相談は、お気軽にお問い合わせください。実際の対象物での無料テスト加工で、仕上がりと処理速度をご確認いただけます。

関連記事:溶射下地の現場施工有害塗膜(鉛・PCB)の除去ケレン・除錆度(Sa)とは溶接前処理ガイド3工法比較

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